外で食事をする時間のない夜は、レバノンデリのコリアンドルで買ったお惣菜ですます。
おじさんが顔を覚えていてくれて、「君は初めてじゃないだろ」と。
わざわざ戻ってきてまでまん丸いハーブチーズを買っていく日本人は、そんなにいないのだろう。
野菜たっぷりでオリーブオイル使用の料理は、やはり身体に合う。
こういう日を設けるべきだな。
クロスは日本から持って行った。
ホテルの部屋のPC前で食べる1人飯が侘しくならないように。
別の日にCibusというピラミデにある小さな南イタリア料理店に連れて行っていただいた。
オーナー兼料理人はナポリ人。
久しぶりにこれぞイタリアという料理を満喫した。
本物だ。
トリュフのパスタもバターでなく、オリーブオイルで和えてある。
ウニのパスタもクリームなどは加えず、ニンニク控えめのアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノにドサっとのせている。
前菜に食べたアーティチョークのサラダも、瑞々しく素晴らしく美味しかった。
今回行った他のイタリア料理屋のにはエグ味があったが、ここのは作りたてなのだろう。
とにかく、食べたもの全てに自分の胃袋が喜んでいるのを感じた。
豪快さと繊細さのバランスが、いかにも南のイタリア料理だ。
以前はその国の料理を食べることにのみ興味があったが、仕事で来ている身では気力と体力を保つことが何より優先。
陰鬱な天気と動物性脂肪に疲れ、でも食事を楽しみたいという時の新しい選択肢を教えていただいた。
これまで、「フランスのパスタはぐにゃぐにゃで食べられたもんじゃない」という通説を信じ込んで避けてきたが、隣の国で、しかもパリという都会で、美味しいイタリア料理が食べられないはずないのだ。