2014/02/07

ユーゴ・デノワイエ

肉からでなく仔牛から仕入れるこだわりの肉屋がある。
三ツ星の多くもそこから肉を仕入れている。
肉屋の脇のスペースをイートインにしていて、ランチはそこで食事できる。
という話を聞き、矢も盾もたまらずに駆けつけたのが、16区のHugo Desnoyer。

さすが満席で、飾り棚的なところにスペースを作ってもらって、無理やり座る。

と、グラスに白ワインを注いで出してくれた。
こんな席だからかな?

メニューから前菜と肉を選ぶ。

あれ?
これも頼んでないけど。

黒トリュフバター&黒トリュフとフォアグラがパンにのって登場。
トリュフバターのバター部分すら美味しい。
そして、この滑らかで密なフォアグラ!
フォアグラに興味がなくとも、残酷性について聞いてはいても、美味しいものは美味しい。

お通し?
だとしたら、なんという大盤振る舞い。

前菜はチーズとハムが挟まれたパイ。
かなり大きい。

パイ部分はもちろん、挟まれたハムに目を見張る。
そのままで食べたいくらいの代物。

大きさに怯んだが、不思議と食べ飽きない。

牛(ブフ)220gをレアで。

これは食べなくてはいけない。
赤身の肉の素晴らしさを思い知らされた。

普段、和牛の脂が苦手で、1口で充分だと思う。
だから、好んで牛は食べない。
赤身の牛は好きだが、本当に美味しくてたまらないというのはマレ。

この肉、しっかりと歯ごたえがあるのだけど後に残る筋ではなく、噛んでいる限りずっと旨味がある。
肉の繊維のどんな隙間にも旨味が含まれていて、それがわざとらしくなく、じわりじわりと常に一定のペースで押し出される。
身体に溜まるような脂ではない、クリアな旨味。
これぞ赤身肉だ。

肉を食べ始めた時にはすでに満腹に近かったのだが、最後の1切れを惜しいと思いながら噛みしめた。

この1皿で38ユーロというのが高いのか安いのか、そういうことを考えることすら必要ないと思う。

肉&惣菜売り場が危険なことになっている。

買ってしまう。

日持ちのするソーセージやチョリソにしておきましたがね。


白ワインを何杯か注いでくれた後は赤ワインを、牛を食べ終わるまで。
で、お会計は頼んだ水と前菜と肉の分だけ。
もしかして、飲む人にはもれなく出てくるシステム?
ちゃんと選ばれているようなワインだったのに。


ところで、ここで使っていたペルスヴァルのナイフが欲しくて仕方がない。
持ち手が木のもの。
ここはオリジナルの888番だけど、通常モデルのオリーブの木のもいいなあ。