三ツ星の多くもそこから肉を仕入れている。
肉屋の脇のスペースをイートインにしていて、ランチはそこで食事できる。
という話を聞き、矢も盾もたまらずに駆けつけたのが、16区のHugo Desnoyer。
さすが満席で、飾り棚的なところにスペースを作ってもらって、無理やり座る。
と、グラスに白ワインを注いで出してくれた。
こんな席だからかな?
メニューから前菜と肉を選ぶ。
あれ?
これも頼んでないけど。
黒トリュフバター&黒トリュフとフォアグラがパンにのって登場。
トリュフバターのバター部分すら美味しい。
そして、この滑らかで密なフォアグラ!
フォアグラに興味がなくとも、残酷性について聞いてはいても、美味しいものは美味しい。
お通し?
だとしたら、なんという大盤振る舞い。
前菜はチーズとハムが挟まれたパイ。
かなり大きい。
パイ部分はもちろん、挟まれたハムに目を見張る。
そのままで食べたいくらいの代物。
大きさに怯んだが、不思議と食べ飽きない。
牛(ブフ)220gをレアで。
これは食べなくてはいけない。
赤身の肉の素晴らしさを思い知らされた。
普段、和牛の脂が苦手で、1口で充分だと思う。
だから、好んで牛は食べない。
赤身の牛は好きだが、本当に美味しくてたまらないというのはマレ。
この肉、しっかりと歯ごたえがあるのだけど後に残る筋ではなく、噛んでいる限りずっと旨味がある。
肉の繊維のどんな隙間にも旨味が含まれていて、それがわざとらしくなく、じわりじわりと常に一定のペースで押し出される。
身体に溜まるような脂ではない、クリアな旨味。
これぞ赤身肉だ。
肉を食べ始めた時にはすでに満腹に近かったのだが、最後の1切れを惜しいと思いながら噛みしめた。
この1皿で38ユーロというのが高いのか安いのか、そういうことを考えることすら必要ないと思う。
肉&惣菜売り場が危険なことになっている。
買ってしまう。
日持ちのするソーセージやチョリソにしておきましたがね。
白ワインを何杯か注いでくれた後は赤ワインを、牛を食べ終わるまで。
で、お会計は頼んだ水と前菜と肉の分だけ。
もしかして、飲む人にはもれなく出てくるシステム?
ちゃんと選ばれているようなワインだったのに。
ところで、ここで使っていたペルスヴァルのナイフが欲しくて仕方がない。
持ち手が木のもの。
ここはオリジナルの888番だけど、通常モデルのオリーブの木のもいいなあ。