今回のパリ出張では家飯を強化してみた。
寒いし怠いしで、外に出るのが億劫だっただけとも言う。
部屋での作業も多く、会食の予定が少ないのを良いことに、引きこもっていた。
塩2種類を持って行って、バターとオリープオイルを現地調達。
寒いし怠いしで、外に出るのが億劫だっただけとも言う。
部屋での作業も多く、会食の予定が少ないのを良いことに、引きこもっていた。
塩2種類を持って行って、バターとオリープオイルを現地調達。
まだ店が開いている時間に部屋に着けたので、花屋とボン・マルシェ、ポワラーヌに走る。
羊の足(ピエ・ド・ムートン)という名の茸があったので、買ってみた。
傘の裏が細かい毛が生えたようになっている。
日本では鹿の舌というそうな。
好物のウサギ肉。
丸ごとで売っていることが多くて買いにくいが、ボン・マルシェの肉コーナーでは腿だけがあった。
オリーブオイルとニンニクでソテーして、途中でバターと茸を投入。
パセリのサラダを添えて、レモンをぎゅっと絞って食べる。
鶏に似た歯触りで、旨味はさらに濃い。やはり美味しいなあ。
朝はフルーツコンポート入りベイユヴェールのフロマージュブランを食べつつ、チーズサンドを作る。
ビスポークで習った映画「シェフ」風チーズサンド。
スライスしたラクレットとピレネー・デ・シェーブル(むっちりした山羊乳ハードチーズ)をポワラーヌの田舎パンに挟んで、たっぷりのベイユヴェールのバターでこんがり焼く。
飲むのは持参した一保堂のほうじ茶。
前日は昼夜外食でちょっと食べすぎたなあという日は、スープ。
ニンニクと赤タマネギをバターでよく炒めて、ちりめんキャベツと水を入れて煮込むだけ。
野菜が力強く、その出汁だけで十分美味しい。
2杯目には、焼いたラクレットチーズをのせて。
仕事帰りに寄ったマルシェ・サンジェルマンの肉屋に、皮の黄色い鶏の脚があった。
近所にあるビオスーパーでクレームフレッシュの液体版とシャンピニオン・ド・パリを買う。
クレームフレッシュは醗酵クリーム。
開けると、上部に濃い部分が固まっている。
醗酵由来のコクと爽やかな酸味が同居していて、重たさを感じない。
サワークリームと同様なはずなのだが、日本のサワークリームとはずいぶん違う。
そもそも日本で手に入るサワークリームの種類自体が少ない気がする。
フランスは乳製品の重要度が高いからか、充実していて楽しい。
じっくりとソテーした鶏の脚。
その脂で茸を炒め、クレームとパセリを入れてソースに。
マルシェ・サンジェルマンにあるビオワイン屋でブルゴーニュのオススメを聞いて買ったワイン。
クレール・ノーダンのオート・コート・ド・ボーヌ 2013。
同じマルシェのチーズ屋で買った不思議な形のシェーブル、Bouyguette(ブイゲット)をつまみつつ、ゆるゆると飲み、眠くなったら寝る。
素晴らしきかな家飯。
翌朝は残りもの。
シェーブルはパンにのせてトースト。
やっとオーブンの使い方が少しわかった。
買ったもの並べただけの夕食。
メゾン・ヴェロのハム。
ビオスーパーで買ったプティ・シャブリは、この時期には寒すぎた。
ドメーヌ・ブシャールの。
温かい汁ものが欲しく、ちりめんキャベツとポワローと燻製豚バラのスープにクレームを入れて。
普段、あまりクリームを好まないのだけど、フランスのクレーム・フレッシュは別モノ。
牛肉も、日本では好んで頼まないのにフランスで積極的にいただきたいものの1つ。
和牛の脂が苦手ということなのだけどね。
赤肉は好き。
特にフランスの仔牛は生の段階だと豚肉のように乳白色。
みっちりと吸い付くような歯触りと緻密な旨味を持つ。
ちょっと良い仔牛を買って焼き、白ワインソースで。
つけ合わせはコリアンダーのサラダと、
フェンネルのグラタン。
フェンネルはシーズンのようだ。
株の部分を細目に切ってバターでソテーし、ラクレットをのせて焼いただけ。
苦甘いフェンネルが美味しい。
ラクレットチーズはグリュイエールより香りがあって、使える。
やはり赤が飲みたくて、サンジェルマン教会裏の酒屋でオススメに従って買ったシラー100%のワイン。
ドメーヌ・デュランのコルナス 2013。
ローレン・デュボワのフロマージュブランにドライイチヂクを千切って浸したものが、酒飲みのデザート。
前にどこかで聞いた通り、鶏肉は腿より胸肉が一般的なようだ。
切り身で売られているのは胸肉ばかり。
腿は骨付き以外見かけなかった。
日本で胸肉を家で食べることは滅多に無いのだけど、骨なしの腿が買えないのだから仕方がない。
夜パリを発つ日の昼食は胸肉のバターソテー。
残っていたバターすべてを豪快に使って焼き上げた胸肉は、パサつきが気にならなかった。
フライパンにこびりついた脂にレモン汁をたっぷりと絞って火で煽ったのがソース。
ジャガイモのローストも添えた。
3~4日のパリ旅行、しかも初めてだったり10年ぶりだったりするのなら、なにも自分の料理を食べなくてもと思う。
行くべきレストランがたくさんあるから。
でも、定期的に仕事で1週間程滞在する身としては、家飯は身体が楽だし、日本との食環境の違いを目の当たりにできてリフレッシュになる。
今回はおかげでか、時差ボケが幾分緩和されていた。
次回は黒胡椒粒も持って行こう。