2015/01/22

Taglio

ナヴィリ地区のタリオはバールであり、食材屋であり、トラットリア。

高級というよりは、こだわりの食材を扱っている。

スペシャルティコーヒーもある。

ランチをどこか初めての店で取りたいと思った時に検索をして見つけた。
店選びでアイデアがない時、いくつかの好きな店の名前をまとめて検索して、それらを好評価しているサイトから合いそうなものを参考にする。
今回はここ
他にも行ってみたいと思う店が載っている。

隣のお客さんとの会話が広がって、プロシュットのおすそ分けをもらったり。
食関係の仕事をしているミラネーゼで、この店ができてから通いつめているそうだ。

メニューにはトラディショナルなミラノ料理と一緒に、エッグベネディクトや、今イタリアで流行りらしいハンバーガーも並んでいる。
イタリアでもフランスでも、アメリカンなメニューが流行りらしい。
本屋の食コーナーには、ハンバーガー指南本がいくつも平置きされていた。

お通しは、バッカラ・マンテカート。
下にはイカスミ。

“間違った”コトレッタ・ミラネーゼなる料理。

衣にアーモンドスライスも加えて揚げた極薄骨付き仔牛肉。
驚くほど香るオレンジの皮をたっぷりと。

肉の厚さも衣の配分も、完璧。
精製バターで揚げているそうなのだが、重さがなく、ペロリと完食。
小さいが風味の濃いジャガイモも。

コントルノとしてプンタレッレ。
イタリアには苦味を楽しむ野菜が多い。

グラスのワインも充実している。
トブラールのピノグリージョ 2013。
褪せたような控えめなオールドローズカラー。

クラシックなものを持ち味を保ちつつ今の料理に昇華させている。
食べたという実感がありながら、身体に優しい。

洒落た作りで、1日の飲食のあらゆるニーズに対応するというコンセプトも今どき。
サービスのメインはけっこう年配のおじさんたちで、頑固な感じはなく、ナチュラルにカジュアルに提案している。
こだわりがあっても、それを声高に語らず、当たり前に扱っているように見える。
料理の自己顕示欲よりも、素材を前に出すような。
新しいのに、すごく地元に馴染んでいる。

ここTaglioとun posto a Milanoは、次回またミラノに来ることがあったら、再訪したい店。
パリの似たタイプの店とは違う、ミラノらしさがある。
出張で頻繁に来ていたときにはわからなかったミラノの面白さを、いまさら理解し始めた。