2014/10/22

星野 今年の松茸は早かった

新橋の星野。
何度来ても、毎回その進化に感動する。

コノワタの飯蒸し。

柿なます。

今年は松茸が早く、国産は終わってしまったそう。
これは中国産。とはいえ、香りは十分。

ホウレンソウと。

麒麟山大吟醸紅葉長期熟成。

1度に3組入れられるようになり、日本酒もその時々で種類がいくつか入るようになった。

煮含めた温かい茄子、冷たいウニ、その間に京風の上品な田楽味噌。
温度や風味の違うものを一口で頬張る。

しっかりとしめた小肌。
小肌自体の風味が濃く、酢と渡り合う。

京味で、いつか自分でもやりたいと思っていた料理だそう。
修行中の人が慣れてきて、やっと出せるようになったと。

すだちわさび醤油を絡めたぐじは、裏ごししたフワッフワの栗をまぶしていただく。

粉雪のように繊細で、そして甘い栗の後に、すだちの酸味と醤油、さらに脂ののったぐじが畳み掛けてくる。
甘味、酸味、塩味、濃さ、軽さのバランス。

こちらでよくいただく加賀藩。

鱧、韓国産の松茸、水菜。

一口いただいて、あ、去年とは違うなと思った。
以前にいただいたよりも出汁に力がある。
その分、塩を控えているのだそう。

同じ料理でも去年とは違う。それを味わえるのが嬉しい。

ぐじの八幡巻き。

湯葉、渡り蟹、銀杏、国産の松茸の芯、ゆずの皮、出汁。

蟹も銀杏も松茸も、濃い香りと個性が鼻や口に押し寄せる。
それぞれに引き立て合いつつ盛り上げる。

お馴染みで確実なお食事。

最初の頃より、今の時雨煮のほうが脂が軽やかで好みだ。

お代わりをしていたらおかずがなくなり、最後は鰹節ご飯。
透けて見えるほどひらひらと薄い鰹節とわさびと醤油。

わらび餅。

食事中にふと気が付くと、微笑んでいた。口角が上がりっぱなし。
これからも、季節の味覚をこちらで味わっていきたいと思う。

若くてひょうひょうとして、当たり前のように志が高い。
着実に積み重ねている。
京味さんで本当に修行をした人なんだなと感じる。身に着くとは、こういうことかと。