サローネにいたというシェフの店、ラルテ沢藤。
表参道と外苑前の間くらいのところにある。
泡で乾杯。
料理はコースでお願いする。
グジェールの合間にはチーズをピュレにして凍らせたもの。
赤タマネギの冷たいスープ、グレープフルーツピールとジュレ、ミントオイル、シナモン。
甘、酸、苦、塩の組み合わせをオイルがまとめる。
これを一口食べて、シチリアーノやサローネ、テアトリーノの料理たちに通じるものを感じた。
新しいのに懐かしさもある料理。
お米にタコ、セロリ、アーモンド。
鮎のコンフィに内臓のソース、オレンジピール。
夏野菜のゼリー寄せ。
クレームブリュレはフォアグラ。
ワインも面白いものが揃っている。
カリフォルニアで日本人が作っているという幻のシャルドネ 2012をいただく。
パスタはアンコウのラグー、サフラン、リコッタサラータとアーモンド添え。
コクのあるトマトソースは、シチリアーノで食べたものよりもタマネギのキャラメリゼされた香りが立っている。
ンドゥイヤとバジルソース、トマトジャムが添えられているので、味変しつつ。
赤はグロジャン・フレールのピノ・ノワール。
低温調理でしっとりとしたカツオ、フランボワーズのジュレとアメリカンチェリーのワイン煮、エストラゴンの葉、クローブのパウダー。
複雑な組み合わせがすんなりと収まっている。
それぞれが時間差で舌や鼻に届き、積み重なり、新たな味わいを形作る。
そうだ、こうやってハイテンションにさせてくれる料理があったんだと思い出す。
シチリアはもちろん、イタリア料理の枠にはハマらない。
あれ?赤ワインはグラスでいただいたのだっけ?
次の料理に合わせて、イル・ボッロ 2009。
同じく低温調理でやわらかな豚フィレに、ウニとからすみ、レモンピール、キャラメルと粒マスタードのソース、マジョラム。
重層感たるや。
日本酒までラインナップ。
料理だけでなく、アルコールも自由で多彩だ。
チーズを鍋島で。
デザート盛り合わせ。
グっときた。
ちょっとめかして行きたいハレ感があるのに、コストパフォーマンスが高い。
ガッツリ系でないイタリア料理をと聞かれたら、真っ先にここを挙げる。