今回、パリで最も好きだったお初な店は、ローベルジュ・デュ・キャンズ。
13区。
今回最後の夕食。
「この人たちが薦めるなら、行かないわけにはいかんでしょう」という方々が絶賛していた。
日本人のシェフとサービスなのだけど、私たち以外のフランス人客でほぼ満席。
近辺の人の、ちょっと良い食事会に利用されている様子。
料理のコースは89ユーロ、合わせるワインコースは50ユーロ。
友達が誕生日だったので、シャンパンを出してくれた。
ボネ・ジルマール。
上の黒いのは炭化した葱。
鰻の燻製とケールチップス。
プティ・マロンのヴルーテ、フォアグラ、バニラの香りのする大麦のようなもの。
ケシの実をつけた鯖のスモーク。
鯖はサン・ジャン・ド・リュズ産。
フヌイユのピュレ、根菜、熟成酢。
バランスの良さ。
合わせたのはヴァンサン・ブーズローのシャルドネ。
仔牛とモン・サン・ミッシェルのムール貝のタルタル。
燻製オイルの泡、ヘーゼルナッツのソース。
ああ、フランスの乳白色の仔牛肉をタルタルで食べられて、良かった。
組み合わせが新鮮で必然。
2つ出してくれたうち、ポール・ジャブレ・エネのSecret de Famille、ヴィオニエ 2014。
タラ、ラングスティーヌのジュ、ニンジンピュレ、ジロール。
以前は日本食の影響か、レアレアな火入れの魚をよく目にしたが、今回のノルマンディーでもここでも、全体にうっすらと均一に火が通ったような頃合いだった。
それがトレンドなのか?
フランス料理には、あまりレアなものより、このくらいのほうが無理がない気がする。
ちりめんキャベツが巻かれたスコットランド産の雷鳥。
根セロリピュレ、雷鳥のジュ、胡桃、セップは生とソテーと。
ジビエの季節到来。
ふわりと柔らかな雷鳥は、そのクセが洗練されつつ活きていて、素直に美味しくいただける。
ジビエは強烈であれば良いというのは違うよなと、改めて思った。
ムーラン・ド・ラ・ラギューヌ 2012と。
ココナッツのムース、パイナップルのソルベ、メキシコ産エストラゴンのソース、メレンゲ。
お誕生日の蝋燭を立ててくれたプチフール。
真ん中の下にはパチパチ。
ドメーヌ・カーズのリヴザルト・アンブレ。
ぜひまたここで食事をしたい。
パリには日本人シェフのお店がたくさんある。
日本のテイストを売りにしなくても、正攻法なフランス料理で評価される時代。
シェフの国籍は関係ないのだ。