2015/07/19

掘り出す楽しみ その1

土日の朝は相変わらずブロカントで掘っている。
情報サイトをチェックして、パリ市内でその日開催されているポップアップのブロカントをチェック。
早朝からのもので、場所的に都合の良いところへ行く。
1時間くらいしかないから、かなり速足で、集中して見て歩く。
これは19区。
大通りをメトロ2駅分くらいにわたってずーっと。
プロの古物商もいるが、その辺で拾ってきたようなものを並べている人がほとんど。
イケアのカップなんかにまみれて、200年前の皿がポロっといたりする。
目的があって探しているわけではなく、なんとなくグっとくるものを見つけて、納得できる値段だったら買う。
買ったものよりも、掘り出すことや、帰ってからそれについて調べることが楽しい。
しばらく海外にいた時も、毎週蚤の市やフリーマーケットに行って、買ったり買わなかったりしていたなあ。
その頃は古着を主に掘っていた。今は時間的な制約もあり、もっぱら食器だ。

今回はカトラリーによく出くわした。

この2つはぼってりと重い。
調べるとピューターで、柔らかいから左側がすり減っている。
形から察するに、1800年代初めのものだろう。

家に帰ってきてから、アルミホイルと重層と熱湯で掃除。
Marie Franceって、雑誌の?
なぜかMGのイニシャルが、全然別のところで買った2つに彫られていたり。
フランス人にはMGのイニシャルの人が多いのだろうか?
虫眼鏡を使いながら、メーカーズマークを検索。
クリストフルやApollo、ピュイフォルカのものも紛れている。
デザイン的には、曲線が多用されたロココなものより、直線できっぱりとしたアールデコが好みなようだ。
そういうことを考えたり調べたりしながら過ごす時間が楽しい。

ショワジー・ル・ロワの直径28㎝と大きめの皿。
シックなグレーなのに、躍動感のある植物の柄。

状態も良いものが2枚売られていた。
大きいので1枚で十分だ。
どちらにするか悩んだ後、選んだ1枚を売り手のおじさんに渡すと、「2枚欲しいの?」と聞いてくる。
どうやら金銭的な問題で1枚しか買えないと思われたようで、頼まずして値引きをしてくれた。

1800年代末~1900年代初期のもののようだ。
エトルタというシリーズだから、その町の植物ということかな。

クレイユ・エ・モントローの1825年~1833年のもの。
パリの建物を描いていて、シャトー・ドォーとオテル・ド・ヴィレ。
3枚売られていて、内1枚は状態が良くなかった。

ニュウが入っていたりするが、200年近く前のものと考えると、よく残っていてくれた。
まだエッフェル塔のない時代。
エジソンが白熱電球を発明する前。
これは飾り皿だったのだろう。
その当時の文化や時代背景に思いをはせる。

アリーグルのブロカントで掘り出したキュノワール。
ガラクタばかりの割に高い値段をつけているアリーグルだが、月曜以外の平日もやっているから、ついつい寄ってしまう。
「やっぱり買うものがないな」と思うことばかりだったが、この日はそそられるものがあった。
少量のセレクトされた良品だけを売っているおばちゃんから購入。

22㎝くらいと、小ぶりで使いやすそうだし、状態も良い。
1900年前後くらいではないかな。
黒の色の濃い、北部のキュノワール。

フランスの古い皿を扱っているサイトやインスタを見まくっていると、サルグミンのこの花リムプレートを目にすることが多い。
やわらかなクリーム色。
1920年代くらい。