シンガポール留学からお戻りの姉さん宅で、手際よく作られた料理とともにヴーヴ・フルニーの飲み比べをさせていただき、
ネイルアートと肌の手入れを怠らない男性主催の食事会へ。
ファロの黒トリュフ祭り!
だから黒葡萄の泡で乾杯。
フェッラーリのペルレ・ネーロ 2005。
料理だけでなく、ワインも合わせてセレクトされたコースを。
黒トリュフのフリット。
ガリッザクッ。
厚切りの黒トリュフ。
衣はゼッポリーネをイメージしてピッツァ生地。
パン用のオリーブオイルも上質で、青い実の香り。
次の料理に合わせて、シチリア、グッチョーネのトレッビアーノ 2013。
シェフソムリエの本多さん曰く「とてもお得」。
確かに。でも、家ではこんなに良い状態で飲むことはできない。
帆立貝と蕪のロワイヤルスープ、黒トリュフを浮かべて。
帆立貝のフランの上に黒トリュフのクリーム、さらに蕪のスープ、そして黒トリュフ。
サルディーニャ、カピケラのヴェルメンティーノ 2007。
琥珀色でビオらしい酸味と捻りのあるワインが、続く料理と素晴らしく合う。
オマール海老のソテーとシェリーヴィネグレット、黒トリュフがけ。
添えられたのは大麦(?)とレンズ豆、さらにオマール&黒トリュフを和えたもの。
黒トリュフはザクザクという歯触りも楽しむものだと、ファロで食べるたびに思う。
そして、このオマールの弾力。
さらに白。
ウンブリア、カステッロ・デッラ・サーラのチェルヴァロ 2004。
鶏のムースを詰めたトルテローニ、黒トリュフの香り。
緑はつぼみ菜。
ムースが流れ出てしまうから、1口でいってくださいとのこと。
従って、丸ごとトルテローニと黒トリュフソースを頬張る。
美味しさに奇声が。
熱々の鶏出汁が口中で爆発し、クリーミーなコクと力強い黒トリュフの香りと混ざり合う。
そしてワインが、負けていない。さらに盛り上げる。
とうとう赤。
メニューに「Vecchia annata」と書いてあるから期待していたが、予想以上の古さ。
なんと1975年。
アントネッラ・カヴァロットのバローロ。
いまだフレッシュさを残す。
こうありたいものよのう。
目の前でたっぷりと卸しかけられる黒トリュフ。
みっちり。
黒トリュフで覆われたリゾット。
そのメニューに偽りなし。
メインに向けてのワイン。
フリウリ、ロンコ・デル・ニェミツのコッリ・オリエンターリ・デル・フリウリ・メルロー・ソル 2006。
メルローの奥深さを知る。
鴨とフォアグラのパイ包み焼き、黒トリュフソース。
1人1パイ。
中には、鴨と一緒にザクっと黒トリュフ。
軽やかな歯触りと濃厚なバターの風味を併せ持つパイは、ボリーさんの教えの通り、こんがりと濃い色になるまで焼くのだそう。
以前、ミラノのクラッコで白トリュフコースをいただき、無理やりな白トリュフ使いにうんざりとしたことがある。
どんな高級食材も、そこに愛がないと料理として完成されないのだと思い知った。
それに比べ、このファロのトリュフ(白でも黒でも)祭りには愛が溢れている。
まずは美味しいこと、トリュフがあることでさらに美味しくなること。
チーズを頼まずにいられようか?
イタリアらしいものを。
蜂蜜も特別なものだったような。
合わせてワインも。
マージのコスタセーラ・アマローネ 2006。
デザートはワゴンで。
ババにシュー、ここでマストなクレーマ・カタラナ。
ジェラートはマンゴとミルクだったような。
デザートに合わせて、ちょっとした遊び。
マルヴィラのビルベットに、
発泡ワインを注ぐ。
注いだのは同じくマルヴィラのリヴ・ゴーシュ。
やわらかくまとまって、甘味と酸味のバランスが取れる。
面白いなあ。
ファロはイタリア料理という枠には収まらない。
ただ、とにかく幸せなレストランだ。