滞在先に着いて荷物を置き、すぐに出る。
ポワラーヌで田舎パンと翌日の朝食を買い、ボン・マルシェでベイユヴェールのバター(Doux)とボルディエのクリームと牛肉を買い、花屋に寄り、近所のビオスーパーで野菜とワインと水を買う。
土曜の夜に束で売られている花は残り物ばかり。
妥協策で特別扱いの大きく長いバラを1本。
でもこれがさすがに元気よく、2週間近い滞在の間ずっと綺麗に咲き続けていた。
ユベール・ヴェルドローのブルゴーニュ、ピノ・ノワール 2014。
牛肉は行列を待てず、パックに入っているのを買ったらイマイチだった。
翌日曜日はラスパイユのビオ市でまとめ買い。
鶏肉は羽も付いてる。
その処理をしていたら、これって手羽なのでは?と。
ならば焼いて食べるよりスープにしたほうが活きるだろう。
ポロ葱と長時間煮込んだら、良い出汁が出た。
外でのびのび育ったと推測される締まった肉は、ホロホロに柔らかくなっても出がらし感がない。
例年より寒くて、雪や雹も降る変な天気。
温かいスープが癒しだ。
最後はスパイスを加えて。
骨付き仔牛肉はソテーして、パセリと芽キャベツを入れたクリームソースで。
パリ在住食いしん坊友達オススメのマーシュは手軽に食べられる青菜で、今回の滞在中によく食べた。
マルシェでなんだこりゃ?と思ったら根セロリだった。
自分で料理するのは初めて。
かなり硬くて、切れ味の悪い包丁では難儀した。
根セロリとジャガイモとフェンネル(株)のグラタン。
バターでニンニクを香り出ししたところに鶏出汁とクリームを合わせて煮詰めたものを注ぎ、ラクレットチーズをのせて焼いた。
根セロリは火の通りも悪く、先に少し煮込んでおけばよかった。
小さめのを買ったのになかなかなくならなくて、この後は根セロリの消費に努めるハメになる。
ボルディエというブランドにそそられて買ってみたクリーム。
でも、前回ビオスーパーで買ったもののほうが黄色で酸味やコクもあり美味しかった。
ラスパイユで買った牛肉。
水島シェフの本を読んだばかりなので、弱火焼き。
最後に強火で色を付けるのを、もっと長くやるべきであった。
ソテーにしたケールは葉が頑強で、なかなか柔らかくならず。
なるほどね。
日本の家の近所では手に入らない野菜を試すのが楽しい。
残ったのを持って帰るのを嫌って調味料は極力買わないようにしていたが、さすがに酸味がレモン汁だけというわけにもいかなくなり、スパイシーなものの禁断症状も出てきて、酢とクミンなどが入ったチリスパイスミックスを購入。
蜂蜜の酢は、ほんのり蜂蜜の香りがするが甘くはない。
自宅には買ったりもらったりした調味料がたくさんあって、1つ1つに向き合えずにいる。
パリでオリーブオイルとバター、塩、レモン汁、黒胡椒(今回持参)だけで調理したのは、素材の味をよく味わうという意味でも有意義だった。
仕方なく、とにかくより少なく、そこに何かを足すということになった時、自分にとって重要な風味というのを認識した。
普段どれだけ無意味に要素を増やしていることか。
春は仔羊の季節。
ソテーしてカリカリニンニクとスパイスのオイルをかけ、パセリとブラッドオレンジのサラダを添えた。
パセリでなくコリアンダーだったらエスニックさが増したのに、季節柄良いものがなかった。
マルシェ・サン・ジェルマンの中にあるワイン屋でオススメされて買った赤。
Domaine de la TacheのGuillamy n'est pas un Saint。
シラー。
羊によく合った。
このワイン屋はビオを扱っていて、角打ちカウンターもある。
Domaine de Villargeauの白をいただく。
ワインを買うついでに1杯やって、店主と雑談して帰る人が多いようだ。
フランス語ができたらなあと思うのは、こういう時。
フェンネルの葉と茎のアーリオ・オーリオ。
無駄に健康志向を発揮して全粒粉スパゲティを買った自分が憎い。
長いパスタは絶対に普通のがいい。
マルシェ・サン・ジェルマンの肉屋もなかなかいい。
居合せるのはいつもご高齢な方々。
鶏を買おうと思って寄ったら、ウサギの切り身があり、ピカピカで美味しそう。
フランス語のみだけど親切で気の良いおじさんは背骨を切ってくれた。
ワインの袋を見て、「お、飲むんだな」と身振りを交えて言い、ニヤリとしながら肉を手渡す。
ウサギも半分はスープに。
ポワローと蕪と。
鶏と似た質感で、少し野性味がある。
滞在半分を過ぎて、花を追加。
一抱えのラナンキュラスが15ユーロって、安いよね。
花瓶では入りきらず、シャンパンクーラーに。
ウサギスープ2杯目は、ニンニクスパイスオイルを加えて。
同じワイン屋で買ったコルシカの赤。
クロ・フォルネリのカ・ロブ・ダンジュ 2013。
最後の1本だった。
コルシカの赤ワインいいね。
ウサギの半分はソテーして、赤ワインソースで。
ウサギ肉、やっぱり好きだ。
ヘラでは潰し切らなかった根セロリとジャガイモのピュレ添え。
洋梨とマーシュのサラダも。
あと数日で帰るのに、塩を床にぶちまけた。
塩なしではどうにもならないけど、この家に置いてある塩は納得がいかない。
仕方なく買う。
荷物にはなるが、家でもあって困るものじゃない。
ラスパイユの肉屋で美味しそうだったハム。
芽キャベツのソテーと。
チコリの半分はオリーブオイル&塩&レモン汁で、残りはラクレットチーズをのせてオーブン焼きで。
出発前の食事は鶏のニンニクバターレモンソース。
金柑とマーシュのサラダと。
料理は気晴らしになるし、調理時間を入れても家飯のほうが短時間で済む。
何かやりながら、合間に料理したり食べたりもできる。
部屋での作業がある出張にはもってこいだ。
もうあの狭いホテル滞在には戻れない。
Airbnbがずっと続きますように。