14区のビストロ、オーギュスタンで夕食。
そそる飲食店が立ち並ぶ通りに面している。
モダンな内装。
集う人々の年齢層は高く、我々(四十路越え)より若いのは家族で来ていたところの娘さんくらい。
観光客も地元の常連さんも入り混じり、21:00過ぎには満席。
コルシカ出身だというシェフは外見からして経験豊富そう。
窓から覘けるキッチンの中でキビキビと働いている。
他のスタッフともよくコミュニケーションを取っていて、全員が無駄なく働いているのが見える。
フロアのスタッフも気が利いて、多くない人数でもちゃんと回っている。
グラスで泡の後、ワインもコルシカのものにしよう。
Donaine San Micheli。
豊かな果実味の中にスパイシーさもあり、素直に美味しい。
コルシカのワインをあまり飲む機会がないが、興味が湧いた。
前菜・メイン・デザートのコースが39ユーロとお得。
前菜にはブーダンノワールを頼んだ。
リンゴのコンポートとビーツマッシュ添え。
友達が頼んだイカ墨のリゾットが、この日のベストメニュー。
上に柔らかく煮たタコ、チョリソの香りも。
自分のメインはスズキのロースト。
茸や胡桃が添えられ、ソースはいかにもフランス料理で、食べごたえがある。
友達の鴨はさらにボリューミー。
ソースに使われたのはコルシカのオレンジで、まるでみかんのよう。
添えられたポレンタもまた、腹に溜まりますな。
レモンチーズケーキ。
青いレモンが香り、満腹でもスルリと収まる。
食後酒も兼ねるババ。
クラシックなのだけど、退屈でない。
手間をきちんとかけてあり、塩梅よくキレがある。
ふんだんで、ああ満足と思って帰れる。
こういう料理こそ、なかなか日本では出会えないと思う。
最後のお茶菓子で出てきたマドレーヌが、卵フルなおばあちゃんの味。
この店の料理のすべてを表しているような気がした。
プレゼントされた花の美しさよ。
バラの季節。