去年、「来年も逃すまい」と誓ったファロの白トリュフコース。
案内状が届くと同時に、常連なご夫妻にメールをし、今年も無事に味わうことができた。
陽が燦々と降り注ぐ空間での休日ランチ。
乾杯のシャンパンはシャルトーニュ・タイエのマグナムボトル。
この後のワインは、お料理に合わせたグラスのワインコースで。
すでにトリュフの香りが漂っている。
アミューズ・ブーシュ的な一皿。
白子の下には黄にら、フレッシュなポルチーニも。
早くも感動。
塩梅や火入れの巧みなこと。
ソースを拭うので、パンはお代わり必至。
よぐぞ東京にいらっしゃいました。
最初の白トリュフ料理には、ウンブリア、パラッツォーネのオリヴィエート・クラッシコ・スーペリオーレ、カンポ・デル・グアルディアーノ 2011。
ポーチドエッグと生ハムのクリーム、白トリュフ添え。
卵と白トリュフの相性は鉄板。
生ハムのクリームが、生ハムすぎず、白トリュフを活かしつつ調和する。
フリウリのボルゴ・デルティリオ、コッリオ・フリウラーノ、ロンコ・デッラ・キエーザ 2007。
コースのアクセントとして、冷たい料理。
白葱を巻いて蒸しあげたスカンピ海老、白トリュフの香るコンソメジュレと共に。
コンソメジュレの素晴らしさに、皆で感嘆の声を挙げる。
ここはパスタの出るフレンチという認識で、イタリアンのワイルドさがない代わりに、緻密な料理の完成度が桁違いに高い。
白葱も歯ごたえ的に重要。
サルディーニャのワインとは。
カピケラ、イゾラ・デイ・ヌラーギ、ヴェルメンティーノ・ヴェンデミア・タルディーヴァ 2007。
キューピー香が次の料理にぴったりと合った。
何度体験しても心躍る瞬間。
自家製サルシッチャを詰めたトルテッリ、白トリュフをたっぷり降りかけて。
パスタ生地の滑らかさ、詰め物のバランス、バターの質の良さ、まさに完璧です。
ロブマイヤーのグラスに注がれるのは、
ラ・ピアーネのボーカ・カンポ・デッレ・ピアーネ 1987。
うっとりにっこり。
白トリュフで覆われたリゾット。
偽りなく覆われている。
メインには、カステッロ・ディ・ヴォルパイアのコルタッサーラ、マグナムボトル 1985。
メインはグランドメニューから選ぶのだが、せっかく5人なので、その人数だからこその塊肉料理をお願いした。
目の前で切り分けられる肉塊。
オーブラック牛の赤身の美しさ、牛本来の端正な旨味。
つけ合わせのポテトピュレには、やはり白トリュフ。
ソースはあえて塩分少な目。
というのも、白トリュフ塩を含めた各種塩での味の違いを楽しむため。
奥はアンコールワットの胡椒で、香りはあれど辛さの品が良く、舌を痺れさせない。
さあ、デザートワゴンだ。
この日は胃袋の調子が良く、珍しくデザートにそそられている。
ワゴンからは1つを除いて全種、バニラのジェラートもと、ふんだんにいただく。
でも、やはり甘いものはそんなに食べられない。
どれも素晴らしく美味しいのだけど、ぐったりしてしまう。
カスタードプリンのみにしておくのが、自分には合っている。
白トリュフを香しいと思うのは、貴重な贅沢品だと知っているからなのだ。
そうわかっていても、季節の訪れを感じ、テーブルを囲む人々とハレの気分を共有しているうちに、自分の中でのこの香りの価値がさらに上がる。
何にでも白トリュフをかければ良いというものではない。
その料理が美味しくなければ意味がないと、以前にとあるレストランで学んだ。
来年もまた、ファロの白トリュフコースをいただけますように。
美味しいものをさらに美味しく感じさせてくれる、ご一緒の方々に感謝を。