六本木のさだ吉。
帰国中の隊長がバンコクへ戻る前日に予約をしているということで、ご一緒させてもらう。
浅草姐さんとともに。
ちょっと捻りがあり、でもクリエイティビティの誇示ではない、すんなりと馴染む組み合わせの料理たちは、片っ端からいただきたくなる。
れんこんと赤こんにゃくの枝豆和え
蕪と車麩の山椒和え
さつまいものローズマリー風味
ローズマリーをギリギリのところまで強く効かせているのがさつまいもの強烈な甘さとバランスを取っていたり、匙加減が巧みだ。
マリアージュぶりは前回で証明されているので、日本酒やワインはオススメで出していただく。
かわはぎのつみれ焼き。
魚の歯ごたえと練り物のブリンとした食感が混ざり合う。
かわはぎ凝縮。
解禁されたばかりの香箱蟹たち。
1人2杯はむしり食べる。
と、途中で「合うワインがあったりしないかな?」と。
出てきたのは、ヒトミワイナリーの泡。
これ、日本酒よりもぴったりと合うんじゃなかろうか。
卵にもミソにも合うのだから、恐れ入る。
カラスミはもちろん、もしかしたら数の子やイクラにも合うかもしれない。
でも、もう買えないんだよねえ…。
本日の主役。
イタリアのサラーメたち。
コロンナータ産ラルドの純白さ!
極薄にスライスされると、塩の強さが和らぎ、脂の甘みが押し出される。
単体でももちろん美味しいが、旨みとコクを加える目的で色々なものと合わせたくなる。
あれはどうだ、これは間違いないと話し合いながらの食事がまた、格別。
やわらかな色合いのランブルスコと。
なんと、ラルドon松茸!
あたりまえのように自然に合う。
熱い出汁に浮かぶ松茸を、極薄プロッシュートで包んでいただく松茸とプロッシュートのしゃぶしゃぶ。
恍惚。
茸に羊肉。この団子は何だったっけ?
汁を吸わせるのがよかったのに。
長野の自家農園で店主自ら育てている無農薬野菜たち。
肉厚な菜の力。
さきほどのしゃぶしゃぶの出汁で雑炊、そこにパンチェッタ。
洋梨にフィノッキオーナ。
覚醒されるような料理ばかりで、高揚感と共に帰路に着く。
季節の度に訪れたい店が増えた。