今回は1件くらい新しい店に行ってみようかなと検索。
パリに着く前の週にオープンするというレストランが目についた。
まだオープン前ながら、良さそうな匂いがする。
オープン後すぐに上がっていたレビューもそそられた。
新しいビストロがそこかしこにある10区。
天窓のある店内は銅が効果的に使われている。
大きさもモダンさ加減も程よい。
グラスのシャンパンはジャック・ラセーニュ。
バターのようなコク。
ランチは前菜・メイン・デザートの中から2つを選ぶ28ユーロのコースと、3皿の35ユーロのプリフィクスの2つ。
もちろん、せっかくだから3皿のを。
小さなポテトにはアリオリソースが詰めてあり、上のカリカリは何だったかな?フライドオニオン?
芝生や藁を敷いたりするプレゼンテーションは流行りらしい。
ご一緒した友達と2人で「オーム?」って言うよね。やっぱり。
アジの刺し身、茄子のキャヴィア仕立て、ratte du touquetという長いジャガイモ。
緑のは燻製バジルソース。
バランスが良く、素直に美味しいと思う。
程よい燻製香やバジルの香りが、脂ののったアジを引き立てる。
使われているもの全てに存在理由がある。
こちらは鴨の心臓、salicorneなる緑の海藻、カリカリ、オニオンブイヨンソース。
鴨の心臓はレアでくにゃりとやわらかい。
歯ごたえの組み合わせが楽しい。
フランスに来たら、田舎パンも食べないとね。
グラスの赤はいくつかある中から、2人のメイン料理どちらにも合うものをとお願いして。
ボルドーのシャトー・ラ・ローズ・ベルヴューの赤。
メルローとカベルネ。
麹の香りがある。
しっとりとした鶏、サルディーニャの粒パスタのフレーゴリ、卵の黄身、トウモロコシのソース。
手前のヒゲの生えたカリっとした粒は何だろう?若いトウモロコシを揚げたのか?
バランスが良い。
メインとソース、そして付け合せ。
どれかが前に出過ぎることなく、お互いに引き立てあって、完成している。
メインはどちらも目の前でソースをかけてくれた。
パール色の仔牛、フランボワーズ、パースニップ、細いが濃い葱。
前菜もメインも、モダンだけど少なすぎることなく、満足感がある。
オープンしたばかりなのに素材の使い回しも、気張ったところもなく、すでに安定感がある。
皿の端っこにちんまりと盛られた料理や、6皿コースでも満腹にさせないような店に辟易していたので、余計に好感を持ったのかもしれない。
イチヂク、チョコレートの粉、ヨーグルトのメレンゲ、ノワゼットのアイス、レモンのゼリーソース。
全部一緒に口に入れるのが美味しい。
デザートに合わせて1杯、任せてもらえますか?とサービスの方が言う。
わざわざ開けて出してくれたのが、エリック・ボルドレのポワール・オーセンティック。
洋梨のトロリとした風味はあるが、甘くはない。
このデザートにぴったりだ。
サービスも感じがよくこなれている。
夜は少量が6皿くらい出るのだそう。
来てみたいと思う。
そのうち人気店になるだろうねと言い合いながら後にする。
この日はワインを入れて1人66ユーロくらい。