特別な会のために銀座の会員制の店、1864へ。
カウンターを貸切り。
こだわりの肉と本格的な和食とを組み合わせたコースをいただけるのだとか。
そして、この日の目的はワイン。
飲むたびに感動が大きくなるベガ・シシリア。
料理はまず、初鰹のポン酢ジュレ。
ワインはシャンパンから、ボランジェのグランダネ・ロゼ 2004と、ポル・ロジェのキュヴェ・サー・ウィンストン・チャーチル 2000。
チャーチルがポル・ロジェ好きだったことから、この最上級のシャンパンに彼の名前が付けられたそう。
これだけでコースの最後まで行けそうなシャンパンだ。
肉選び。
左は松坂牛のサーロインとシャトーブリアン、右は2ヶ月ドライエージングさせた但馬牛のランプと肩ロース。
組み合わせもグラム数も自分で選べる。
松の実入り松風焼きと、瓜の漬物。
甘辛く煮た椎茸の鮨。
これがワインに合うのだ。
白はオレムス、トカイ・ドライ・マンドラスの最も新しいヴィンテージ、2011。
くっきりとした酸味の中に、すでに成熟した蜜の香りを含む。
デイリーに飲めるワインのなかで、これほど完成度の高いワインがあるとは。毎回驚かされる。
レンコンの海老挟み揚げと、こしあぶらの天ぷら。
ウドの入ったサラダと、パンはメゾン・カイザーでこの店限定のタマネギのパン。
透明なブイヨンは脂の重さがなく、それでいて牛肉のコクがぎっしりと詰まっている。
バルブエナの2004の若くして大成した感。
複雑で風味が多様。
ウニコと比べるのではなく、並列して遜色ないと、いつも思う。
全種類、計200gをいただきましたとさ。
遠火の炭火でじっくりと焼かれた肉たち。
普段、和牛のサシは食べている時から辛いのだが、この松坂はするするといけてしまった。
卸したわさびと粉末醤油との組み合わせも良かったのだろう。
とはいえ、やはり熟成但馬牛の赤い肉質のほうが、断然に好みであった。
肉は残っても残らなくても、サンドイッチにして持ち帰らせていただける。
枇杷のゼリーとザバイヨーネ。
肉だけでなく、そのほかの料理もまた楽しい。
ウニコの後に、越後屋若狭のねりきりと、オレムスのトカイ・アス、6プットニョス2002。
この甘露なワインには、和菓子が良く合う。
ウニコはリリースされたばかりの2004年と、1965年。
2004年はハーブ、ちらりとスパイスが覘き、バランスの良さと安定感。
今後どのように変化をしてゆくのだろう。
優秀な孫の成長を楽しみに長生きを望む年寄りのような心境になってしまうほど。
2004年生まれのお子さんがいる方は、成人の時に飲むアニバーサリーワインとして、早速発注されていた。
1965年は飼い葉、獣の強さとしなやかさ、奥行き。
そして、今でもなお瑞々しい。
完成されていながら、まだ余裕があるのではないかと思わせる。
お誘いくださった方は、ウニコを飲むと、旅をしているような気分を味わえるとおっしゃる。
あらゆるワインの良いところを兼ね備えていると。
ウニコは唯一無二でありながら、1つではないのだ。
貴重な体験をありがとうございました。
皆様に、そしてベガ・シシリアに感謝を。
ワインとは素晴らしいものですね。
これを至福と呼ばずして、何を呼ぶ?
余韻を語りたく、yu-nagiへ。
念願のブラッディメアリーを。