2015/03/16

Hai Kai

夜のサンマルタン運河。
この辺りはレストランやバーが多くて、ずいぶんと活気がある。

ニューオープンな店を試すということで、昨年秋開店のHai Kai。
運河に面している。

俳諧が元になっている名前だそうだが、日本食アレンジではないらしい。

イマドキっぽいテイストミックスな店内。
サービスは全て女性。
厨房もメインのシェフは女性のようだ。

グラスのシャンパンはコント・ユーグ・ド・ラ・ブルドネ。

メニューを見ると、メインにはジビエなどそそられるものがあるのだが、前菜がブッラータやイタリアシャルキュトリー盛り合わせで、何もパリで食べなくてもという内容。
サービスの人も「初めての人の90%はデグスタシオンメニューにするわよ」と薦めるので、それに従う。

お通しは、キヌアチップスにタラモ。

ワインのオススメを聞くと、薦めてくれるのはリストの中で最も安いレンジ。
そういう気遣いが、パリは徹底しているなと思う。

ミシェル・エ・ダヴィ・バイイのレ・ヴァロン 2013。

熱々のブリオッシュと共に出されたのは、コーヒーバター。
本当にコーヒーの風味で、苦手だった。

ほぐした蟹の身をまとめて揚げたような、蟹満載のコロッケと、柚子クリーム。

下はカリフラワー、上はマスタード。

イカのカルボナーラ仕立て。

温めた程度の細切りイカ、ハム、ディル、へリングの卵に、同じく温めた卵黄、そしてチーズ。
混ぜていただく。
このアイデアは、家でもマネるかな。

半生のタラには、アーティチョークサラダとネギの花。
パルメザンクリームとニョッキが添えられて。

牛肉の赤ワイン煮込みは、振り掛けられたクリスタルソルトが余計で、塩辛かった。
濃厚なのもあり、量が少ないのにぐったりする。

キャロットクリームとメレンゲ。

食べたかったジビエが入っていてよかった。
野鴨、焼きリンゴ、焼きトレビス。

湯呑み茶碗で出てきたのは、桜の花が香るクレームブリュレ。

気が付けば満席。
客層がお洒落だね。

混む前は料理がスムーズに出ていたのだが、最後のほうは飲みものが出なかったり、時間がかかったり。
隣の席の人々は混んでからの入店だったので、ワインや最初の料理が出てくるまでにずいぶんと待たされていた。
サービスの数が足りないわけではないだろうに。

洋梨のフリットに洋梨ソルベ、チョコレートソース。

揚げバナナのような感じで、けっこう好きだ。

店を出た時は、友達との楽しい夕食だったこともあって良い印象だったのだが、今思い返してみると、また食べたいと思うものがない。

左岸泊である限り、わざわざ行くことはないだろう。