もはやお馴染みながら、今回も衝撃的なクオリティの高さでもてなしてくださった某お宅。
本格的でありつつオリジナリティに溢れ、家だからこその贅沢と遊びもあり。
食材だけでなく、器もまたしかり。
北京食い倒れ旅からお帰りの家主様による酸菜白肉鍋の会。
食前には、北京で入手されたという特別な菊花茶。
今そこで咲いているかのような。
このフライド棗、中まで完全にザックザク。
蕪の甘酢漬けは菊花を模し、菊花と共にいただく。
甘めの味付けが菊花の苦味と合う。
お茶からの美しい流れ。
本日の鍋は羊出汁とのことで、出汁の副産物で出た真っ白な脂で炒めた豆。
こういうさっと炒めるようなものの味が完璧に決まっているのに、毎度驚かされる。
決まりっぷりが素人じゃないの。
清蒸で。
蒸し加減、たれの塩梅もまた完璧。
レンコンいいねえ。
前の食事会の時に話に出たのを取り入れるというサービスもあり。
里芋に甘めの椎茸出汁を煮含めて、米粉で揚げたもの。
なるほど、米粉か!
さあ、メインである鍋のたれの素。
白いのはなんと、カシュナッツペーストソース。
インド料理にも精通しているだけあって、中華では胡麻であるところをオリジナルのアレンジ。
ほんのりした甘さと香りで、口飽きない。
羊は2つの部位を厚切りで。
北京で感銘を受けたのに倣ったそう。
確かに、ペラペラ切りよりも断然肉が活きる。
なにこれ!?
個人宅の火鍋で使う鍋?
炭火だし。
羊出汁に白菜漬けの旨味が溶け込んだところに肉や野菜をしゃぶりしゃぶりとして食す。
手間をかけて用意された白肉が続く。
この焼きそばに震えた。
蒸し麺が鍋の旨味を吸いまくっていて、そこにレモンの爽やかさ。
焼きそばがこんな境地に達するとは、思いもよらなかった。
さらにデザートまで自家製。
家主様曰く、ヘビーなレモンケーキ。
カリッとした中は凝縮。
老茶を金柑ピールに入れたもので〆。
菊から柑橘への黄色いまとまり。
ありがたいと思いながら、これが個人宅であることがもったいないような気もする。
持ち寄りのワインも素晴らしく、写真を撮り忘れたのが残念。
ボーペイサージュのシャルドネは梅酒を感じさせ、料理とよく合っていた。