2016/09/07

バーン・タム

放浪の料理人タムさんが、自分の店を構えたそうな。
行かねば。

自ら「伝説のシェフ」という看板を掲げて人々を失笑させていても、実際、日本のタイ料理で店名でなく料理人の個人名で語られるのは、タムさんが初ではないかと思う。
ムラがあるらしいが、低調でないときのタムさんの料理は、目を見張るものがある。

さて、今日はどうだろう?

ド平日だからか空いていて、他のお客さんはタムさんと仲良しの常連さん。
お陰様で、さすがタムさん!という料理を味わえた。

以前にタムさんの料理で感動し、頼もうと決めていたネームクルック。
この日は幸運にも、ネームがちょっと特別なものだった。
細かくほぐされた揚げおにぎり、刻まれた野菜、ナッツ、ネーム、異なる歯ごたえや風味の組み合わせ。

気前の良い常連さんがおすそ分けくださったのが、メニューにない馬刺しの北部スパイスラープ。
常連さんが自分で熊本から取り寄せた馬刺しで、タムさんに作ってもらったのだそう。

コゲた風味が香ばしさになっているガイヤーン。

焼きナスと海老、タコのサラダ。

タイ料理は、甘いも辛いも酸っぱいも、全ての味覚を入れてバランスを取る料理だ。
タムさんの料理は、そのどれもがくっきりと主張をしながら、全体としての調和も取れている。
ぐっと踏み込んでくる美味しさ。

ガリっと揚げられた魚にトロミのあるソース。
パイナップル入りで甘味優勢だけど、辛さや酸っぱさがあるから、食べ飽きない。

揚げピータン入りのガパオ。
常連さんが「これはご飯が必要だから」と持ってきてくれた。

やはりタムさんの料理は伝説と名乗ってもらって問題ない。

残念なのは、サワー類を常温から氷で冷やすから、炭酸が抜けてしまっていること。
ビールは冷蔵庫で冷やされているので安全。

何か美味しいお酒を飲んで〆たいですな。
と、新宿三丁目にあるワイン&マスタードAへ。

タスマニア周辺のワインやマスタードを売りとする店。
連れてきてくださった方曰く、料理も工夫があって美味しいのだそうだ。

日本人がかの地で作るスモール・フォレストの白を。

キリっとした辛口のロゼ泡で〆。