2016/03/14

新橋 星野 :河豚と筍

寒の戻りが時差ボケの身体に応えるが、食卓の上はもう春。

ご一緒した方が持ち込んでくださった貴重なワインで乾杯。
ナカザワヴィンヤードのクリサワ・ブラン 2010。
まだまだしっかりと酸があり、十分な甘さで和食にぴたりと合った。

蒸し鮨。
最初に温かいご飯をいただくと、お腹が落ち着いてほっとする。
穴子(あれ?鰻?)など、具は別々に炊かれて合わされる。
柚子の香り。

若芽と筍。

そう、この時期は河豚ですね。
同じ時期に同じものをいただくことで、季節の移り変わりを知る。
唐辛子と醤油で香ばしいゼラチン質。
繊細な身をいただいた後は、手で掴んで残さず齧り取る。

赤貝のぬた。

グジとたらの芽の天ぷら。
すだちも新しいものが出てきたそうな。

グジはどう食べても美味しいけど、やわらかな身をそのまま包み込んだような天ぷらもいいねえ。

ああ、河豚。
3キロの大きなもの。
十分に寝かせて旨味を引き出しているそう。
さすがの弾力と、噛めば噛むほどの、口の中が収縮するほどの旨味。

添えられた鮟肝は別でいただく。
これまた、美味しいところだけ抽出されたクリアさ。

これは日本酒ですな。

蛤しんじょ。
去年はほろりと柔らかかったが、今年は蛤をより多く、より弾力のある仕上がりに。
いつもながら、常により良いものをと留まらない向上心に打たれる。

蛤自体も綺麗に掃除されているので、濁りがない。
出汁には味付けがされておらず、しんじょを割って食べ進めていくうちに白く風味を増していく。

加賀藩。

ノドグロはクセを和らげるよう、山椒と醤油を纏わせて。

京都の筍。
きめ細やか。
あえて切っていない。
先から齧る。
筍を掘った竹林の景色が目の前に広がる。
トウモロコシのような甘さも。

飯蛸とわらび。

何度食べても美味しいご飯。

立派なおこげを作る仕組みを教えてもらったり。

プリっと歯触りの楽しいわらび餅。


最初に比べると塩の量がすごく減ったのだそう。
と言われても、薄味になった気は全くしない。